微生物たちの力で醸す
「木桶」の醤油
ヤマロク醤油は全量木桶仕込み。16~32石(約3,000~6,000リットル)の杉を使った「木桶」を使用。
発酵調味料の全ては、乳酸菌や酵母菌などの「微生物たちの力」によって造られます。彼らにとって最高に居心地の良い環境を創ってあげることができれば、最高においしいものができるのです。だからプラスティックではなく、「木桶」でないとダメなんです。
木桶での醤油造りは温度管理が難しく、非常に手間と時間がかかりますが、これまでもこれからも「木桶」を使うことにこだわりを持っています。
今にも崩れそうなくらいボロボロに見える杉桶ですが、腐っているわけではなく、この中にも大切な菌たちが暮らしているのです。触るとフワフワしています。
醤油造りに欠かせない、
酵母菌や乳酸菌たちが暮らす
「生きてる蔵」
ヤマロク醤油のもろみ蔵は100年以上前(明治初期)に建てられた蔵で、国の登録有形文化財(第37-0182~0184)に指定されています。木造平屋で床は土間、壁は土壁。見た感じボロボロですが、そこがポイント。実は桶以上に、梁や土壁、土間の中には100種類という酵母菌や乳酸菌たちが暮らしているのです。つまり蔵は昔からずっとここで暮らしている菌たちの家。「生きてる蔵」なのです。
土壁は最も多くの菌たちが暮らす蔵の命。お金で買うことのできない大切なもの。風化して崩れ落ちた土壁は、新しい土と練り合わせ、元の場所に戻してあげます。
酵母菌や乳酸菌の発酵に
最適な環境を作る、小豆島独特
の暖かく乾いた風
小豆島の気候は地中海性気候に似た、温暖小雨の瀬戸内海式気候。雨が少なく日照時間が長いこと、空気が乾燥していることが特徴です。中でも特筆すべきは小豆島が誇る寒霞渓の山々。瀬戸内の島の中で最も高いこの山(標高817m)は太陽熱を吸収しながら上昇気流を生み出し、独特の暖かく乾いた風をつくります。この類まれな風が、醤油醸造における酵母菌や乳酸菌の発酵に最適な環境を育んでいるのです。
ヤマロク醤油は小豆島の東側。内海湾から寒霞渓に向かう山の麓に位置しています。瀬戸内の島の中で最も高い山々が周囲を囲み、南には穏やかな内海湾が広がっています。
ヤマロク醤油の旨さ
醤油の『旨み』って?
数値化できる味と数値化できない味
旨み値が高いヤマロクの醤油
-
薄口醤油
1.2 -
濃口醤油
1.5 -
鶴醤
2.3~
一般的に醤油の「旨み」はちっ素(N)の数値で表わされます。ちっ素とは主に大豆に含まれている成分で、この値が高いほど「旨み」が高い醤油といわれます。この旨み成分は大豆の熟成途中に出てくるもので、一般的な薄口醤油で1.2、濃口醤油で1.5、これがヤマロクの商品「鶴醤」だと2.3以上となり、数値の上でも「旨み」が高いことが分かります。
塩分濃度が低く旨みが生かされた醤油
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薄口醤油
17%~18% -
濃口醤油
16~17% -
鶴醤
15%~16%
しかしながら、旨み成分の数値を高めることは技術的に難しいことではありません。原料や製法の善し悪しに関わらず、調味料を使ったり、細かく砕いた大豆を使えば、熟成期間を短縮しても数値を高めることができます。ところが人間は、「コク」や「まろやかさ」といった数値化できない微妙な味を感じます。「味」とは、旨み、辛み、苦み、甘み、香りが、複雑に絡み合った総合技であり数値だけで計れるものではありません。
また、ヤマロクの醤油は、一般に流通している醤油に比べると、数値上のバラつきは多いです。でも「味」のバラつきは少ないと思います。それは、数値以上に人間の「感覚」を大切にしているからです。ヤマロク醤油は目に見えない数値、「おいしさと笑顔」を品質基準にしています。
山のふもとのろくろべえ
ヤマロクという屋号の由来は、先代の「ろくろべえ」さんが、山のふもと (現住所)に住んでいたことから、「山のふもとのろくろべえ」 略して 「ヤマロク」 と呼ばれるようになったそうです。
会社概要
事業者名 | ヤマロク醤油 株式会社 |
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運営統括責任者 | 山本 康夫 (やまもと やすお) |
所在地 | 〒761-4411 香川県小豆郡小豆島町安田甲1607 |
TEL | 0879-82-0666 |
FAX | 0879-82-1293 |
mail@yama-roku.net |